インプラント骨造成の種類を解説

075-723-8241
075-723-8241

インプラント骨造成の種類を解説

インプラント治療では顎の骨に人工歯根を埋め込むため、骨に十分な厚みと高さがないと治療できない場合があります。

歯周病や加齢などによって顎の骨が痩せていると、施術したときに人工歯根が骨を突き抜けてしまったり、歯肉から露出したりと、さまざまなトラブルを起こす原因となります。

そんなときはインプラントを可能にする治療法として「骨造成」を検討するのも一つの方法です。

今回は、インプラント骨造成の主な種類と、骨造成を行うメリット・デメリットについて解説します。

インプラント骨造成の主な種類

インプラント骨造成にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。

ここではインプラント骨造成の主な種類と特徴を5つに分けてご紹介します。

1.ソケットリフト法

上顎の奥歯部分の骨に十分な高さがない場合に適用される施術法です。

上顎の大臼歯の上部から奥には上顎洞(サイナス)と呼ばれる空洞が広がっており、さらにサイナスと上顎骨の間にはシュナイダー膜と呼ばれる粘膜が存在しています。

歯周病などで歯を失ったり、骨が吸収されたりすると、サイナスまでの距離が短くなり、臼歯部分にインプラントを埋め込んだときにシュナイダー膜や骨を突き抜けてしまうおそれがあります。

ソケットリフト法では、上顎の人工歯根を埋め込む箇所に穴を開け、専用の器具を使ってシュナイダー膜を押し上げてから骨補填剤を注入し、骨の再生を行います。

ソケットリフト法は一般的に骨の高さが3~5mm以上あるケースに限定されますが、当院では3mm以下でも可能です。骨造成とインプラントの埋入を同時に行えるため、治療期間はおよそ4カ月程度で済みます。

骨がしっかり造られたら、インプラントに上部構造を装着し、完了となります。

もともとインプラントを埋入するための穴から骨補填剤を入れるので、傷口が小さく、痛みや腫れも最小限に抑えられるところが利点です。

一方、目視できない状態で手術を行いますので、技量・実績豊富な医師に施術してもらうことが大切です。

2.サイナスリフト法

上顎の臼歯部分の骨の高さが3~5mmに満たない場合に採用される施術法です。

頬側の歯肉を切開し、骨造成のためのスペースを造ってから、骨補填剤を入れて縫合します。

しばらく経って骨が安定したら、インプラントを埋入する施術を実施します。

骨補填剤の注入とインプラントの埋入を同時に行うソケットリフト法に比べると、骨造成→インプラント埋入の2ステップが必要になるサイナスリフト法は治療期間が長期におよびやすく、おおむね10カ月~1年程度かかるといわれています。

当院ではサイナスリストとソケットリストを併用する術式で4ヶ月でインプラントを生着させます。

そのため上顎の臼歯部分の骨に3~5mm以上の高さがある場合は基本的にソケットリフト法が採用されます。

3.GBR法

GBR法とは、Guided Bone Regenerationの頭文字を取った略称で、日本語では「骨誘導再生法」と呼ばれています。

インプラントを埋入した後、自分の骨(自家骨)や骨補填剤を注入し、メンブレンと呼ばれる特殊な膜で覆うことで顎の骨を再生させるスペースを確保します。

顎の骨の高さ・幅ともに不足しており、インプラントを十分固定できない場合に採用される施術法で、顎の骨が再生された後、上部構造を装着します。

ソケットリフト法と同じく、骨造成と共にインプラント埋入を行うため、治療期間はおおよそ4~6カ月ほどです。

4.ソケットプリザベーション

抜歯後の顎の骨の吸収を防ぎ、骨の再生を促すことでインプラントを埋め込みやすくする方法です。

歯は失ってからの時間が長くなるほど骨の吸収が進行し、厚みや高さのない痩せた状態になってしまいます。

そうした顎の骨の吸収を防ぐために、抜歯した段階で抜歯後の穴に人工骨を入れ、メンブレンで覆って骨を再生させます。

個人差はありますが、抜歯後の穴はおよそ4~9カ月後には固い骨で埋まり、インプラントの埋入施術が可能な状態になります。

5.遊離骨移植

自分の骨をブロック状に切り出し、骨量が不足している部分に移植する方法です。

歯周病などが原因で顎の骨が大きく吸収されている場合に採用される方法で、自家骨をチタン製のねじで固定し、骨が安定するまで待ちます。

だいたい4~6カ月ほどで移植した骨が生着したら、インプラントの埋入を行います。

自分の体から削りだした骨だけを使用する自家骨移植は、骨形形成や生体親和性に優れていること、また病原性物質や倫理的な危惧がないことなどから臨床で多用されており、他の移植材料を使う場合に比べて安全性が高いといわれています。[注1]

一方で、骨の足りない部分(母床骨)と適合させるのは難しく、場合によっては血流が不足して移植骨が吸収によってなくなってしまうリスクがあります。

[注1]厚生労働省:歯科インプラント治療指針

インプラント骨造成を行うメリット・デメリット

インプラント骨造成を行うことには、多くのメリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。
骨造成の施術にはコストがかかるのはもちろん、体にも多少の負担がかかりますので、メリットとデメリットの両方をよく理解してからしっかり検討しましょう。
ここではインプラント骨造成を行う主なメリット・デメリットをまとめました。

メリット1.施術時のトラブルリスクを軽減できる

顎の骨に十分な高さや厚みがないままインプラント治療を行うと、人工歯根が骨を突き抜けたり、歯茎から露出したりする恐れがあります。
見た目が悪いというだけでなく、周辺の組織を傷つけて、別途治療が必要になることも考えられます。
骨造成を行えば、インプラント治療のために必要十分な骨の量を確保できるようになり、施術時のトラブルリスクの軽減につながります。

メリット2.インプラントの安定性が高まる

インプラントの埋入が不十分だった場合、施術後にインプラントが抜け落ちる、ぐらぐら動揺するといったトラブルが発生しやすくなります。
骨造成によって骨量を増やせば、インプラントの支台の安定性が増し、脱落や動揺といったトラブルが起こりにくくなります。
あわせて定期的なメンテナンスを行えば、長期間にわたって安定したインプラントを維持することが可能です。

メリット3.歯茎の審美性がアップする

歯周病や加齢によって骨が痩せてくると、歯茎の位置がだんだん下がり、周囲の歯や歯茎とのバランスが取れなくなってきます。
骨造成によって十分な骨量を確保できるようになると、周辺組織とのバランスが取りやすくなり、審美性の向上が期待できます。

デメリット1.長期間にわたる治療が必要

骨造成施術では、自家骨や骨補填剤が生着し、再生するまでに4カ月~の期間を要します。
再生までにかかる期間は、選択した治療法や個人差によるところも大きく、人によっては治療に1年以上の時間を要することもあります。

デメリット2.傷跡や痛み、腫れが生じる場合がある

骨造成は外科手術をともなうため、歯肉を切開したり、穴を開けたりするときに傷が残る場合があります。
術前には麻酔を使用するので、施術中に痛みを感じることはありませんが、麻酔が切れた後に痛みや腫れを生じることもあるので注意が必要です。
腫れや痛みは時間の経過と共に治まっていきますが、症状が長引く場合は医師に相談しましょう。

骨造成を行えば、インプラントが可能になる場合がある

インプラント治療には、顎の骨に十分な高さ・厚みが必要になるため、加齢や歯周病などで骨が痩せていると、治療を断られてしまうこともあります。

そんなときは骨造成施術を行うことでインプラントが可能になる場合があります。

骨造成施術にはさまざまな種類がありますので、医師と相談しながら、自分に合った方法を選択するようにしましょう。